(書評)『「家庭」の誕生 理想と現実の歴史を追う』 本多真隆〈著〉

有料記事書評

 ■人と人の結びつき方、続く模索

 2年ほど前、「こども庁」になるはずだった役所の名前が「こども家庭庁」に変更された。保守系の議員が「子どもは家庭でお母さんが育てるもの」などと訴えて、巻き返したのだ。いまや「家庭」の2文字は、保守派のお気に入りのようだ。

 しかし本書によれば、明治期には進歩的な知識…

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