(天声人語)女将の思い

有料記事

 群馬県にある伊香保温泉での話である。1990年代のことだ。一軒の旅館で、大浴場にいた宿泊客が怒声をあげ、苦情を訴えていた。障害者の客が浴場を汚したからだった。すみません、すみません。女将(おかみ)だった松本和子(ともこ)さん(80)は何度も頭を下げ、謝った▼それでも客の怒りは収まらなかった。ついに…

この記事は有料記事です。残り472文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2023年12月9日10時43分 投稿
    【視点】

    ユニバーサルツーリズムにかんする記事だ。<旅に出たいけれど、旅することを諦めざるを得ない状況>がある。今の自分はそうでなくても、<旅に出たいけれど、旅することを諦めざるを得ない状況>になるかもしれない。そんな思いを大切にする女将のおもてなし

    …続きを読む

連載天声人語

この連載の一覧を見る