「傷つきながら書け」無頼の教え 伊集院静さんを悼む 小説家・桜木紫乃

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 最後の無頼派と呼ばれた男が逝った。本格的な雪が石狩空知地方の夜を真っ白に染めた日だった。

 真夜中の電話で「追悼文を」という担当者の狼狽(ろうばい)した口ぶりから、現場の混乱が伝わりくる。どこからか「受けなさい」と、信じたくはないが追悼せねばならぬ人の声が聞こえる。先方が困っているぞ、と。早すぎる…

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