(寄稿)「母」というペルソナ 小説家・金原ひとみ

有料記事寄稿

[PR]

 休日の昼下がり、編集者が日本から送ってくれた本の束から一冊選び、ベッドに横になって読みながら、眩(まぶ)しくて電動シャッターを少し下ろした。本は緩やかに面白みを増し、このまま昼寝でもしてしまおうかと思ったその瞬間、唐突に郷愁を感じて文字を追う視線を宙に泳がせた。

ここから続き

 「そうか、私はこんな感じだった」…

この記事は有料記事です。残り3643文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません