(社会季評)白黒カラスをめぐる旅 政治的鬱、無力感をまず肯定 東畑開人

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 この夏、ポーランドとイスラエル、そしてパレスチナ自治区を巡る旅をしていた。ポーランドの目的地はアウシュビッツ強制収容所跡地。ホロコーストを受けてイスラエル建国に至ったユダヤ人の歴史を辿(たど)る旅だ。

 旅のよいところは、普段は思いが及ばない現実を、想像するようになることだ。たとえば、公園で見かけ…

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