明治神宮外苑再開発、伐採樹木971→556本に 環境アセス案了承 都審議会=訂正・おわびあり

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 神宮球場秩父宮ラグビー場の建て替えなどを含む東京・明治神宮外苑地区の再開発計画について、事業者側が提出した環境影響評価書(アセスメント)の案が16日、了承された。対象区域で当初、伐採予定だった樹木が971本から556本に減るなどの説明が事業者側からあった。

 再開発は球場とラグビー場をそれぞれ解体し段階的に場所を入れ替えて建て直すほか、二つの高層ビルも建てる内容。敷地にある約1400本の樹木のうち971本を伐採して若木に植え替える計画が含まれていた。これについて、環境アセスの手続きで都環境影響評価審議会の委員が伐採本数の根拠の説明などを求め、審議日程が延長される異例の展開となっていた。

 三井不動産など事業者側の説明によると、伐採されなくなった415本のうち311本は、もともと開発とは関係なく自然に立ち枯れる「枯損木」として伐採本数に計上されていた。過去の実績などから計上していたが、精査の結果、そのまま残したり、植え替えたりできると判断したという。

 残りのうち85本は、根の部分の適切な保全も難しいとして、これまで伐採予定としていたもの。詳しい現地調査の結果、樹木医が移植可能と判断したという。また、伐採予定だったラグビー場東側のイチョウ19本も、「今後の詳細な調査で移植の可否を検討」という方針に転じた。

 環境アセスの手続きがこのまま終了すれば、着工に向かうことになる。三井不動産は工事着手は2023年以降としている。

 事業者側は16日、多くの映画の撮影現場にもなった聖徳記念絵画館に続くイチョウ並木の保全についても、隣接する新野球場の着工前に並木の詳しい調査をし、健全な生育への悪影響が判明すれば計画の工夫などをすると説明した。この並木は伐採計画に含まれていないが、審議会が説明を求めていた。(釆沢嘉高)

 <訂正して、おわびします>

 ▼17日付社会・総合面「明治神宮外苑再開発 伐採樹木971→556本に」の記事で、立ち枯れた木を「故損木」としたのは「枯損木」の誤りでした。記事作成時に入力を誤りました。

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