(寄稿)不寛容の時代 小説家・桐野夏生

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 小説家になって、26年という月日が経った。小説家という仕事は、それこそ「生産性」という意味で言えば、無駄な存在だが、違和感を糧として仕事をしてきた自分たちには、また別の感受性を培ってきたという自負がある。

 私には、「何か変じゃない?」という違和感がすべてだった。

 その違和感こそが、新しい扉を開…

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