聡子の変貌に世界は救われる 映画「スパイの妻」 映画評論家・蓮實重彦

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 「アメリカが日本の敵になるのですか?」。そんなことなどありえないと思っていた神戸に住む貿易商の妻の聡子(蒼井優)は、夫の優作(高橋一生)にそう問いただす。黒沢清の新作「スパイの妻」は、誰もが漠然とそう考えていながら、戦争がぬかりなく接近していた昭和十年代に始まる。実際、行進する兵士たちの靴音が不穏…

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