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宮沢賢治の童話の魅力の一つに、擬音表現がある。『やまなし』では、川底で2匹の蟹(かに)の子がこう話し始める。「クラムボンはわらったよ」「クラムボンはかぷかぷわらったよ」。あははでも、げらげらでもなく「かぷかぷ」▼そしてやまなしの実は川に「トブン」と落ち、「ぼかぼか」と流れる。そんな音だけでも違う世…