賭けマージャン、計4回 朝日新聞社員「軽率な行動、深く反省」 緊急事態下

 朝日新聞東京本社に勤務する50歳代の元記者の男性社員が、緊急事態宣言下に、東京高検の黒川弘務検事長とマージャンをしていた問題について、朝日新聞社が社員から聞き取った内容を報告します。社員は緊急事態宣言が出た後、計4回、金銭を賭けてマージャンしていたことを認めました。▼1面参照

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 社員は5月1日と13日、東京都にある産経新聞社会部の記者の自宅マンションで、同記者と同社の別の記者、黒川氏の計4人で、夕方から深夜や翌日未明にかけ、現金を賭けてマージャンをしていた。同じ部屋に各自が持ち寄って飲食もした。いずれの日もマージャンが終わった後に、社員はタクシーで1人で帰宅した。

 13日は産経新聞記者と社員が数千円勝ち、産経の別の記者と黒川氏がそれぞれ負けた。1日は社員が負けたという。

 4月13日と20日にも同じ場所でマージャンをした。

 4人は、5年ほど前に黒川氏を介して付き合いが始まった。この3年間に月2、3回程度の頻度でマージャンをしており、集まったときに翌月の日程を決めていた。1回のマージャンで、勝ち負けは1人あたり数千円から2万円ほどだったという。

 社員は東京社会部の司法担当記者だった2000年ごろ、黒川氏と取材を通じて知り合った。

 2017年に編集部門を離れ、翌年から管理職を務めていた。黒川氏の定年延長、検察庁法改正案など、一連の問題の取材・報道には全くかかわっていない。

 社員は「緊急事態宣言下に軽率な行動をとったことを深く反省しています」と話している。

 ■「深くおわび」産経新聞

 産経新聞社広報部は21日、「東京本社に勤務する社会部記者2人が取材対象者を交え、数年前から複数回にわたって賭けマージャンをしていたことが分かりました。これまでの調査に記者2人が語ったものであり、詳細な事実関係はこれから調査します。相手や金銭の多寡にかかわらず賭けマージャンは許されることではないと考えます。また、不要不急の外出を控えるよう緊急事態宣言が出されている中での極めて不適切な行為でもあり、深くおわびいたします。今後も取材源秘匿の原則は守りつつ、社内規定にのっとり厳正に対処してまいります」とのコメントを発表した。

 ■「極めて遺憾」 森法相

 森雅子法相は21日夕、安倍晋三首相と面会後、東京高検の黒川弘務検事長の賭けマージャン問題についての調査結果などを、記者団に明らかにした。主な内容は次の通り。

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 黒川検事長は緊急事態宣言下の1日と13日の2回にわたり、報道機関関係者3名とマンションの1室で会合し、金銭を賭けてマージャンを行っていたことがわかった。この行為は誠に不適切というほかなく、極めて遺憾だ。これらの事実関係が認められたことから、監督上の処分として訓告とした。先ほど黒川検事長から辞職願、辞表が提出されたので、22日の閣議で辞職の承認を頂く予定だ…

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