ジョーこそが文学、心撃ち抜かれた 宍戸錠さんを悼む 作家・矢作俊彦

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 エースのジョーと初めて会ったとき、私は九歳だった。半ズボンを履きランドセルを背負っていた。そこは横浜駅西口のアーケード商店街の外れに建つ日活映画館で、通学路からは遠かったが、その通学路で出会った他校の友人の父親が小屋主をしていた。

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 彼は目を細め、私を指差(さ)して「ちっちっちっちっ」と舌打ちする…

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