(噴火被害に学ぶ)噴火、もしもの備えは

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 火山の噴火が相次ぐ日本列島。過去には大規模な噴火も起きているが、人間の一生に比べて発生の間隔は長く、教訓は伝わりにくい。その間に社会は発展し、火口に気軽に近づける山も増えた。過去の噴火を知ったうえで、現代ならどんな被害になるかを想像した備えが必要だ。

 ■電力・鉄道・空港…生活に影響

 富士山が最後に噴火したのは、300年あまり前の江戸時代だ。1707年の宝永噴火では、火山灰が屋根に積もった建物が倒壊、農地が荒廃した。火山灰は関東地方に広く降った。山林に大量に積もった火山灰は大雨で流れ出し、泥流となって被害を拡大した。

 噴火の49日前には、南海トラフ巨大地震である宝永地震が起きている。将来も同様の複合災害にならないとも限らない。

 富士山や箱根山で大きな噴火があれば火山灰は西に乗って首都圏に届く。

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 首都圏には、生活に必要な施設が集積する。東京湾岸に集中する火力発電所の吸気フィルターが火山灰で目詰まりすれば電力供給に影響する恐れがある。積もった火山灰が1センチ以下でも鉄道の信号が誤作動し、2センチほどで雨でぬかるむと車のハンドルが取られかねない。新幹線や高速道路、首都圏や周辺…

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