(大介護時代)家で暮らす:1 年中「大変」背負われへん
車いすの夫の両脇に腕を入れ、ズボンをつかむ。
「がんばって、いちにの、よいしょ」
体の向きを180度変え、洋式トイレに座らせる。ひざに痛みが走る。2人して崩れ落ちそうになる。
兵庫県西宮市の西村早苗さん(72)が夫の信一さん(74)を介護するようになって22年になる。半年前、介護仲間への電話でつぶやいた。
「わたし、死んでもええかな」
その日、夫が通うデイサービスの職員に苦情を言われた。気に入らないことがあると、大声を出されて困ると。これまで、いくつもの施設に受け入れを断られてきた。またか……。
電話を切った後、涙が止まらなくなった。声を上げて、泣いた。
■慣れてもつらい
旅行会社を営んでいた信一さんが脳出血で倒れたのは1992年。右半身にマヒが残った。信一さん51歳、早苗さん49歳の時だった。
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95年の阪神大震災が追い打…
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