届かなかった内部通報「カメラ映像見てくれれば」 郵便局の点呼問題
編集委員・沢伸也
トラックなどの事業許可取り消しという重い事態に至った日本郵便の不適切点呼問題では、3年前の内部通報がいかされず、是正の機会が失われていた。なぜ訴えは届かなかったのか。通報者とのやりとりの記録をたどると、同社の対応の不備が浮かんでくる。
「2024/1/12 19:06 アルコール検査器をやっていない」「1/29 14:06 車両点検簿を点呼台に置いただけ」「点呼台にカメラがある」
通報した大阪府の郵便局員が昨年2月1日、日本郵便の内部通報窓口に送ったメールの文面だ。日時や不適切な行為を特定して伝えた。
郵便局内には防犯カメラがあり、点呼の実施状況は録画を見れば確認できる。実際、今春の全国調査でも録画が利用された。通報者は録画を確認して欲しいと訴えた。
2カ月が過ぎた4月11日。通報者に届いたのは「お時間をちょうだいして大変申し訳ありません」と前置きし、事実確認を「検討している」という返事だった。
ついに帰ってきた回答は
通報から9カ月後の11月…