ミシュラン掲載店、食中毒で営業停止中に弁当販売容疑 経営者ら逮捕
集団食中毒による営業停止処分中に客向けの仕出し弁当を作り、ウイルスの付着が疑われる状態で販売したとして、大阪府警は16日、大阪府河内長野市の「日本料理 喜一(きいち)」の経営者、北野博一容疑者(69)=同市本町=ら3人を食品衛生法違反容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。
捜査関係者によると、北野容疑者は販売の8日前、仕出し弁当が作られた店内の厨房(ちゅうぼう)で嘔吐(おうと)し、販売3日前にノロウイルスが検出されていた。
北野容疑者らは調べに対して容疑を認め、「ノロウイルスの危険性の認識が甘かった」「注文を断れなかった」などと述べているという。
同店は2010年代に関西圏のレストランが対象の「ミシュランガイド」に掲載され、ホームページで「四半世紀続く京懐石の銘店」とうたっている。
だが、今年2月15日、店内で同8日に食事をするなどした複数の客が、ノロウイルスが原因とみられる下痢や腹痛を発症したとして、保健所から2日間(同15~16日)の営業停止を命じられた。
2月中の体調不良者が87人
捜査関係者によると、逮捕容疑は2月16日、営業停止処分中にもかかわらず、客から注文を受けていた仕出し弁当11個を店内で作り、病原微生物による汚染が疑われる状態で販売したというもの。弁当を食べた数人からノロウイルスが検出されたという。
同店は3月2日にも、店内で2月22~24日に食事をするなどした複数の客に下痢や嘔吐などの症状が出たとして、無期限の営業禁止を命じられた。大阪府によると、同店の料理が原因とみられる2月中の体調不良者は87人にのぼった。いずれもすでに快復したという。
府警は一連の食中毒を踏まえ、衛生管理などに問題があったとみて当時の状況を調べている。
同店は営業禁止処分が解除された後の3月20日、「一連の事故を厳粛に受け止め、深く反省するとともに、再発防止に向けて衛生管理体制を強化・徹底することにより食の安全確保を期していく」との謝罪文をホームページに掲載した…