沖縄「豆記者」と皇室の交流は60年 つないだ東京の山本さんの思い

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編集委員・島康彦

 皇室は長く沖縄に関心を持ち続けてきた。中でも、沖縄への思いがうかがえるのが、沖縄の子どもたちが本土を訪れて取材活動をする「豆記者」との交流だ。

上皇ご夫妻が踊りの輪に 見守るお子さま方

 沖縄民謡の「安里屋(あさどや)ユンタ」に合わせ、歌い踊る沖縄の子どもたち。その輪のなかに、皇太子だった上皇さまが美智子さまとともに加わった。笑顔で見守る浩宮さま(天皇陛下)と礼宮さま(秋篠宮さま)。「とても和やかで、温かみのある交流でした」。同席した山本和昭さん(95)=東京都世田谷区=は当時をそう振り返る。

 昭和時代、ご一家は毎夏のように豆記者の子どもたちを静養先の軽井沢などに招き、交流した。1963年4月、東京・元赤坂の東宮御所(当時)の中庭で、上皇さまが沖縄の中学生や引率の教員と対面したのを皮切りに、ご一家での交流に広がった。平成時には現在の天皇、皇后両陛下が、令和からは秋篠宮ご夫妻が引き継ぎ、今も続く。

上皇さまと沖縄の子どもたちと交流を 届いた熱意

 豆記者は、山本さんの沖縄の子どもたちへの思いから誕生した。

 終戦後も沖縄は米国の占領下…

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この記事を書いた人
島康彦
社会部|編集委員
専門・関心分野
皇室、こどもの問題、格闘技(プロレス)、演芸(落語、浪曲)