安倍氏銃撃、量刑のカギは手製銃 殺人罪は認める弁護側のこだわり

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仙道洸 周毅愷 堀之内健史
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 安倍晋三元首相の銃撃事件は公判前整理手続きが大詰めを迎え、争点の骨格が見えてきた。弁護側は殺人罪について争わない一方、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が事件に与えた影響を情状面で主張していく方針。なかでも量刑上のカギを握りそうなのが、銃刀法違反をめぐる争いだ。

 27日、奈良地裁で第7回の整理手続きがあり、山上徹也被告(44)も出席した。終了後に報道陣に対応した弁護団によると、メモを取りながら争点整理のやりとりを聞いていたという。

 山上被告は2022年7月に現行犯逮捕され、関係者によると、捜査段階から「殺すつもりだった」と殺人容疑は認めてきた。一方で「母親が多額の献金をして生活が破綻(はたん)した。教団に恨みがあり、関係が深い安倍氏を狙った」とも供述したとされ、整理手続きで焦点になったのは、教団の影響をどう立証するかだった。

 弁護側は「正しい量刑判断の…

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この記事を書いた人
仙道洸
ネットワーク報道本部|西成・動物園担当
専門・関心分野
在日コリアン、在日外国人、司法
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    能條桃子
    (NOYOUTHNOJAPAN代表)
    2025年5月28日5時0分 投稿
    【視点】

    SNSだけでなく巷で、安倍晋三氏の銃撃は、山上被告によるものではなくCIAなど外国の諜報組織によるものだという陰謀論的な言説に触れることがあります。混乱の中で切り取られた情報を元にSNSやYoutubeなどで言説が形成され、それが広まってい

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    河野有理
    (法政大学法学部教授)
    2025年5月28日9時17分 投稿
    【視点】

    この件、判決や量刑の軽重に関心が集まるのは当然だが、他方で、裁判手続きの開始がなぜここまで遅れたのか、その点に疑問を持つ人も多いのではないか。裁判を受ける権利は憲法32条にも定められた基本的人権の一つである。重大な事件で社会的にハレーション

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