「女子枠どう思う?」若手の女性研究者に尋ねると 鍵はロールモデル

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前田伸也
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 入試で「女子枠」を設ける大学が増えている。

 若手の女性研究者は、女子枠をどう受け止めているのだろう。5月16日に都内であった日本私立学校振興・共済事業団による若手や女性研究者らへの奨励金贈呈式で、出席者3人に取材した。

 微分方程式の解の挙動について研究する津田塾大学芸学部数学科の渡邉南助教(29)は「研究や大学教育の世界に女性が増えてほしい」と望む。

 父親が塾講師で、数学が得意になるきっかけとなったという。数学Ⅲに夢中になり、「解析をやろう」と津田塾大に進んだ。

 女子大だったので、学内で教員以外に男性と共に研究をする機会はなかったが、外部の研究会に出席し、驚きを隠せなかった。「70人のうち女性は私を含め2人だった」。米国フロリダ州の大学を訪れた時、現地の女性研究者に日本の女性研究者が少ない現状を説明すると、「少なすぎる」と嘆かれたという。

 女子枠については賛成の立場…

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    板倉龍
    (科学雑誌Newton編集部長)
    2025年5月27日10時0分 投稿
    【視点】

    【妹が読んでいた科学雑誌に興味を持ち、深く読み込むようになった。「自然科学はおもしろい!」と感じ、理科教師を目指して神戸大学に進んだという】 一般向けの科学雑誌の編集者として,これほど励みになる言葉はありません。一般向けの科学雑誌を手に取っ

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    能條桃子
    (NOYOUTHNOJAPAN代表)
    2025年5月27日23時58分 投稿
    【視点】

    「女子枠」を利用して入学した女子学生たちが、性別を理由にした差別にできるだけ直面せず、好奇心の赴くままに豊かな学生生活を送れることを願います。「女子枠」が進められている理由は、機会の均衡の問題もありますが、同時に、それがこの社会に生きる多く

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