「女子枠どう思う?」若手の女性研究者に尋ねると 鍵はロールモデル
前田伸也
入試で「女子枠」を設ける大学が増えている。
若手の女性研究者は、女子枠をどう受け止めているのだろう。5月16日に都内であった日本私立学校振興・共済事業団による若手や女性研究者らへの奨励金贈呈式で、出席者3人に取材した。
微分方程式の解の挙動について研究する津田塾大学芸学部数学科の渡邉南助教(29)は「研究や大学教育の世界に女性が増えてほしい」と望む。
父親が塾講師で、数学が得意になるきっかけとなったという。数学Ⅲに夢中になり、「解析をやろう」と津田塾大に進んだ。
女子大だったので、学内で教員以外に男性と共に研究をする機会はなかったが、外部の研究会に出席し、驚きを隠せなかった。「70人のうち女性は私を含め2人だった」。米国フロリダ州の大学を訪れた時、現地の女性研究者に日本の女性研究者が少ない現状を説明すると、「少なすぎる」と嘆かれたという。
女子枠については賛成の立場…