時空超えた「太陽の塔」 撤去予定から重文へ、そのベラボーな存在感

有料記事

編集委員・大西若人
[PR]

 撤去予定だった「太陽の塔」が、半世紀あまりの時を経て重要文化財へ――。芸術家岡本太郎が「ベラボーなものを作る」と公言してデザインした高さ約70メートルの像は、1970年大阪万博の「記念碑的レガシー」であると同時に、時と場所を超えて影響を与え続ける圧倒的な存在でもある。

 「子供にとっては、不気味で非日常なものを突きつけてくる存在でした。あらゆる想像をかき立てられ、みんなウルトラマンの怪獣を描くように、絵にしていましたね」

 1965年生まれで、万博会場に近い大阪府茨木市で育った現代美術家のヤノベケンジさんは、跡地の万博記念公園(同府吹田市)に立つ太陽の塔の姿を見て大きくなった。

 当時の先端技術を駆使して建てられたパビリオンが次々と取り壊されるなか、大地にぽつんと立つ巨大で孤独な像。当時は岡本太郎も「テレビに出ているヘンな芸術家」のイメージだったが、美術の道を志すようになって見方は変わった。

 「言語化しがたい、ベラボー…

この記事は有料記事です。残り964文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません