韓国大統領選、選挙運動スタート 最大野党の李氏リード、与党は混乱

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ソウル=清水大輔 貝瀬秋彦
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 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領の罷免(ひめん)に伴う大統領選の選挙運動が12日から始まった。選挙戦は世論調査でトップを走る進歩(革新)系最大野党・共に民主党の李在明(イジェミョン)前代表(60)と、曲折の末に保守系与党・国民の力の公認候補となった金文洙(キムムンス)前雇用労働相(73)を軸に展開される見通しで、6月3日に投開票される。

 与党の混乱を受け、保守系野党・改革新党の李俊錫(イジュンソク)議員(40)がどこまで支持を受けるかも注目されている。

 李在明氏はソウル中心部の広場で遊説をスタートし、「崩れた民生や民主主義を回復する」などと訴えた。選挙戦では非常戒厳を出した尹氏の弾劾(だんがい)・罷免に金氏が一貫して反対したことから、金氏や与党を「内乱同調勢力」と批判し、追及していく構えだ。

 また、中道層を取り込むために政策は民生の向上や経済成長などを中心に訴え、世論調査で示された大幅なリードをさらに固めたい考えだ。

 与党の金氏は「反李在明」を…

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この記事を書いた人
清水大輔
ソウル支局
専門・関心分野
日韓・日朝関係、分断と対話、戦争と平和
貝瀬秋彦
ソウル支局長
専門・関心分野
朝鮮半島、東南アジア、核問題、人権問題
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    金暻和
    (韓国在住のメディア人類学者)
    2025年5月12日14時35分 投稿
    【視点】

    朝日新聞が李在明氏について、繰り返し「過激な物言い」などと形容しながら「韓国のトランプ」と紹介していることに、強い違和感がある。李氏は、もともとリベラルな政策路線を掲げており、長らく「韓国のバーニー・サンダース」と呼ばれてきた人物だ。トラン

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    西野純也
    (慶應義塾大学教授・東アジア研究所長)
    2025年5月13日1時27分 投稿
    【解説】

    李在明候補の公式選挙戦スタートの第一声をソウル市内の光化門で聞いた。李候補の演説は力強く貫禄があり、支持者たちの雰囲気にも選挙戦を優位に進める余裕が感じられた。一方の金文洙候補は、候補者交代をめぐる党内対立が直前まで続いたため、選挙対策委員

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