トランプ関税の影響注視 利上げ前向き意見も 日銀3月会合議事要旨

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西尾邦明
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 日本銀行は8日、追加利上げを見送った3月の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。政策委員からは、トランプ米政権による関税政策の影響を強く懸念する声が出た一方、堅調な国内経済を背景に利上げに積極的な意見も複数あった。

 日銀はこの会合で、政策金利を0.5%程度に据え置いた。議事要旨によると、委員らは、日銀の政策金利が低水準であるとし、経済と物価の見通しが実現していけば利上げしていくとの考えで一致した。

 何人かの委員は前回1月に利上げした直後であり、「各国の通商政策などの動きやその影響を丁寧にみていくことが可能な局面にある」との認識を示した。ある委員は、関税政策が大きな悪影響を及ぼす可能性が高まった場合には「政策金利を引き上げるタイミングをより慎重に見極めることが必要」と主張した。

5月会合も金利据え置き

 利上げに前向きな意見も複数…

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この記事を書いた人
西尾邦明
経済部|金融担当
専門・関心分野
金融、財政、原発・エネルギー政策
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    亀田制作
    (SOMPOインスティチュート・プラス)
    2025年5月8日19時46分 投稿
    【視点】

    議事要旨を読むと、たしかに3月の会合時点では、日銀内にもトランプ関税の影響を強く懸念しつつ、一方で国内の物価上振れを警戒する意見もあったようです。しかし、5月会合後の展望レポートを読み、また植田総裁の記者会見を聞く限り、日銀は景気下振れと「

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