「闘病記はもうからない。ならば私が」出版社長が配信する命のバトン

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辻外記子
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 闘病記のソムリエとして、出版社「星湖舎(せいこしゃ)」の社長、金井一弘さん(69)は病気の体験記を動画配信で紹介する。2024年12月に始め、2週に1度のペースで、乳がん脳梗塞(こうそく)、大腸がん認知症などと続く。

 フリーターを経て出版社で営業を担当。1999年に今の出版社をつくった。高校時代は天文部に所属。星湖舎という名前には、「輝く才能を持つ人たちが、湖くらいの規模で集う所に」との思いを込めた。自分史旅行記がメインだったが、闘病記や障がいを持つ人の本が増えていく。

 白血病の女性は、乳がんの人の本を、紙がすりきれるほどに読み、抱いて眠り、「生きる希望を得た」と話し、自らも著した。「闘病記は命のバトン」と気付かされた。

「誰かの勇気になる」

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 患者数が少なく、闘病記がな…

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この記事を書いた人
辻外記子
くらし科学医療部長代理
専門・関心分野
医療・ケア、レジリエンス
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    雨宮処凛
    (作家・反貧困活動家)
    2025年4月28日7時0分 投稿
    【視点】

    「闘病記のソムリエ」!! しょっぱなからのパワーワードに引き込まれ、一気に読みました。 確かに闘病記は独特のジャンルです。 が、小説よりノンフィクションが好き、純文学よりエンタメが好き、といった話になった時に、「ジャンル」として闘病記が出て

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