万博の隣でカジノ建設本格化へ 根強い疑念、課題残る依存症対策
大阪・関西万博の北隣で、日本初のカジノを含む統合型リゾート(IR)の工事が本格化する。大阪府と大阪市は万博とIRで大阪湾岸部の開発を進める方針だが、万博会場のすぐ近くでカジノ施設の建設が行われることへの疑念は大きい。ギャンブル依存症対策などの重い課題も残っている。
万博で大勢の人が連日集まる人工島・夢洲(ゆめしま)(同市此花区)。24日に行われたIRの起工式後、吉村洋文知事は報道陣にこう強調した。「世界最高水準のIRが夢洲にできる。今まで日本で見られなかったような経済の活性化が生まれる」
夢洲は、市が1970年代から廃棄物などの処分地として整備を始めたが、長年、本格的な活用が進まず、「負の遺産」とも呼ばれてきた。そこで府市が目をつけたのが、IRと万博だった。
府市はまず2014年、夢洲活性化の起爆剤にするため、IRを誘致する方針を決定。さらに同年、当時の松井一郎知事が万博誘致の検討を表明し、16年には候補地として夢洲を選定した。万博とIRをテコに、湾岸開発を一気に前進させるという、地域政党・大阪維新の会の方針が背景にあった。
SNS「万博の本当の目的は…」 根強い批判
2018年に万博の大阪開催が決まり、23年4月にはIR整備計画が国から認定され、夢洲で万博とIRという2大事業が進むことになった。
しかし、「いのち」がテーマの万博と、ギャンブル依存症の懸念がつきまとうカジノを「セット」で夢洲に誘致したことへの批判は根強い。
SNSなどでは「大阪万博の本当の目的はカジノIRのためのインフラ整備だ」「カジノとセットでやってはいけない」などとする見方もある。
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