日本被団協の姿、写真が語る ピースボートでの特別展18カ国へ

上野創
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 国際交流NGOピースボートの船内で22日、日本原水爆被害者団体協議会日本被団協)の活動やメンバーの姿を伝える洋上特別展の開会式典があり、日本被団協の和田征子事務局次長(81、横浜市鶴見区)があいさつした。23日に横浜港を出て18カ国を回り、寄港地で現地の若者らを招いて展示を見てもらう予定だ。

 特別展はピースボートがノルウェー・オスロの博物館「ノーベル平和センター」と提携協定を結んで実現した。同センターで開かれている企画展を再構成したもので、この日は博物館の学芸員らも来日し、式典に参加した。

 展示されたのは、日本被団協メンバーの現在の肖像写真や、活動を振り返る年表、投下直後の被爆地の写真、メンバーが描いた遺体の絵など。船にはメンバーも乗り、体験などを語って原爆の実相を伝えていくという。

 和田さんは式典で「核兵器が使われたらどうなるかということをもっと伝えたい。被爆の実相を伝えるために、この展示を企画してくださってありがたい」と話した。

 日本被団協に所属する「神奈川県原爆被災者の会」の福島富子副会長(80)は「Peace」「和」という文字の入った帯をしめて着物で参加した。自身もシンガポールまで乗船して語る。取材に対し、「米国を含む海外では原爆の悲惨さや被爆者の存在を知らない人が多い。船の展示や私たちの証言から、もっともっと多くの人に知ってほしい」と話した。

 ピースボート側は「船は8月に横浜に戻るので、何らかの形で展示を見てもらえるような企画を考えたい。可能であれば神戸か大阪でも開きたい」と話した。ノーベル平和センターの展示は秋まで。世界中から来る人に伝えていくという。

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この記事を書いた人
上野創
横浜総局
専門・関心分野
教育、不登校、病児教育、がん、神奈川県、横浜市