デンマーク国王が銀座で豚骨ラーメン 一風堂との意外なつながり
国王に即位後、初めて日本を公式訪問したデンマークのフレデリック10世が23日、食料安全保障の会議やセミナーに出席した後、東京・銀座に赴いた。向かった先は、あの大手ラーメンチェーン「一風堂」だった。
力の源ホールディングス(HD、福岡市)が手がける一風堂は、チャーシューや肉みそに、10年以上前からデンマーク産の豚肉を使用。メニューにはデンマーク産を示す「DANISH」のロゴをつけている。近年はインバウンド(訪日外国人)の来店も多く、担当者は「赤身の食感と脂身のジューシーさのバランスが一番良い。国家元首が召し上がるのは初めてだと思う。国王にも満足していただける自信はある」と話した。
この日、店を訪れたフレデリック国王は、定番の豚骨ラーメンを味わった。なめらかな味わいの「白丸」の「かため」を食べた。レンゲですくったスープを口に運んだ後、箸を使って麺や肉などを食べ、日本語で「おいしい」。デンマーク産の豚肉を使っていることについても「ありがとう」と述べ、笑顔を見せた。
デンマーク農業理事会日本事務所によると、デンマークでは豚肉畜産が農業の中核で、毎年3千万頭ほど生産されている。10年ほど前から、日本の外食チェーンなどでよく使われているという。
22日に公表された「農林水産物輸出入概況」によると、2024年の日本の豚肉輸入量は、カナダ、米国などに次いで、デンマークが第6位だったという。