洋画のリバイバル上映がブーム? 5本に1本が旧作、急増の背景は
過去に上映された海外映画で、再上映される作品が近年急増している。洋画の新作が興行面で振るわないなか、一度封切られ評価が定まっている過去作は「計算ができる」――。そんな見方が、配給会社や劇場の間で広まっているようだ。
映画倫理機構(映倫)は、審査基準が変わった2009年5月より前に審査した作品が改めて国内で上映される場合、新しい基準に基づいて再審査する。
その再審査の本数が、洋画は急増しているという。映倫によると、18~20年はいずれも約40本だったが、21年は88本、22年は129本あった。23、24年も100本を超えた。この間、新作洋画の審査数は400本前後で横ばい。今や少なくとも5本に1本が旧作という計算になる。
一方で邦画の再審査の数は、23年が46本、24年が42本。18年は66本、19年は30本で、コロナ前と大きく変わらない。
映倫の審査を経ずに上映される映画もあり、「上映される映画の全てを把握できているわけではないが、それにしても最近の洋画の再審査数は多い」と映倫担当者は話す。
昨年にリバイバル上映された洋画を朝日新聞が調べると、「デジタルリマスター版」「4K修復版」などと銘打たれるものが少なくとも50本あった。デジタル技術で修復されたのを機に過去作を再上映するケースが多いようだ。
なぜ洋画のリバイバル上映はブームになっているのか。記事の後半では配給会社や、旧作を見に劇場を訪れた観客に、率直な意見を尋ねています。
新作より名作の方が……
映画のフィルムの保存やデジ…