「誰でもいいから助けて」 北尾氏登場でフジ局員に広がる期待と不安

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滝沢文那 堀越理菜 西田理人
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 SBIホールディングス(HD)会長兼社長の北尾吉孝氏が17日、記者会見を開いた。米投資ファンドのダルトン・インベストメンツから、フジテレビ親会社のフジ・メディア・ホールディングス(FMH)の社外取締役候補12人のうち1人として指名されたことを受けたものだ。「物言う株主」として知られるダルトンは6月予定の株主総会で取締役の総入れ替えを求めており、フジテレビを巡る一連の問題は新たな局面を迎え、フジ社内にも動揺が広がる。

 「かつてのホワイトナイトに、ここまで態度を変えさせてしまった」。あるフジの中堅幹部はそう語った。北尾氏は、2005年にライブドアがフジの親会社だったニッポン放送の株式を取得しようとした際に、友好的買収者(ホワイトナイト)として登場した人物だ。その北尾氏は会見の冒頭、「僕の当時の20年前の判断は珍しく外れていた」と述べた。

 北尾氏の登場について、社内での受け止めは様々だ。別の中堅幹部は「期待感はない」と言う。「面倒なことがさらに大きくなってしまったというのが正直なところだ。社内の不安も広がるだろう」。フジとFMHは3月27日に、日枝久取締役相談役の退任を含む人事の刷新案を公表済みだ。「ようやく日枝さんにも退任してもらって、これからがんばろうというときなのに」とため息をもらす。

 一方で北尾氏は、フジの清水賢治社長については、「(経営陣に)残してもいいのではないか」との見方を示した。6月の株主総会に向けたフジ側の人事案では、清水氏がFMHの社長も兼ねることになっている。

 清水社長は、社内での評判も悪くない。「記者会見でも厳しい質問に冷静に対処していた」「社員にも包み隠さずロジカルに説明してくれている」といった声が聞こえてくる。ある若手社員は「一番ドラスティックに取り組める人なのではないか」と話す。

 他方で社内からは、人事の刷…

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滝沢文那
文化部|放送担当キャップ
専門・関心分野
放送・芸能、批評、思想、文学、演劇
フジテレビ問題

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