否認すると釈放されぬ KADOKAWA元会長が問う「人質司法」

有料記事

編集委員・豊秀一
[PR]

現場へ! 憲法を手にⅣ(6)

 東京五輪パラリンピック大会組織委員会の元理事への贈賄罪で逮捕・起訴され、無罪を主張している出版大手「KADOKAWA」元会長の角川歴彦(つぐひこ)(81)。角川が保釈されて東京拘置所を出たのは、逮捕から226日目、2023年4月27日のことだ。容疑を認めた関係者は、早々と保釈されていた。

 保釈からしばらくして、角川は、弁護人となっていた弘中惇一郎(79)の事務所を訪ねた。1970年に弁護士となった弘中は、元厚生労働事務次官・村木厚子の冤罪(えんざい)事件など、数多くの刑事事件に関わってきたことで知られる。

 角川は弘中に、長期にわたる勾留のおかしさを訴えた。とりわけ憤っていたのは、拘置所の医者の言葉だった。持病を抱えて体調も悪い。「何とかここを出られないか」と漏らしたところ、「角川さん、あなたは生きている間にここから出られませんよ。死なないと出られないんです」と言われたというのだ。

 「私の人としての尊厳や基本…

この記事は有料記事です。残り933文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません