会心レースのはずが… 初めて見た吉居大和の姿 思い出す飛躍の予感

有料記事

加藤秀彬
[PR]

 12日にあった陸上の日本選手権男子1万メートルで、吉居大和(トヨタ自動車)は、雨が降りしきる悪天候の中、自己ベストを約6秒更新した。27分36秒33で3位。会心のレースに見えた。

 序盤、優勝候補の選手たちは、ライバルの様子をうかがい集団の後方に陣取った。

 一方の吉居は前方をキープ。帽子を目深にかぶり、一心不乱に前だけを見た。

 中盤、ペースメーカーが設定通りに走れないトラブルが起きたときは、自ら先頭で引っ張った。

 「ある程度余裕があったので、周りが落ちていく流れを作りたかった」

 ラスト1千メートルで後続2人のスパートに対応できなかったが、日本選手権では、大学1年だった2020年に5000メートルで3位に入って以来の好成績だ。満足のいく結果だと私は思った。

 ところがレース後、普段は取…

この記事は有料記事です。残り1164文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
加藤秀彬
スポーツ部
専門・関心分野
陸上、サッカー、海外スポーツ