100歳女性が介護施設で転倒骨折「施設の責任だ」 揺れた司法判断

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米田優人
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 介護施設にいる100歳の女性が転んで、腕の骨を折った。深夜に1人でトイレに向かっていたときだった。施設側に法的な責任はあるのか。裁判所が下した判断は。

 女性は2018年ごろから、介護施設でショートステイを利用していた。歩行器が欠かせず、19年には、部分的な介助が必要とされる「要介護2」と判定された。

 事故が起きたのは21年5月。深夜に目覚めた女性は、1人で靴を履き、歩行器を使って居室から出た。トイレに入ろうとしたが、ドアの前で転び、腕の骨が折れ約3カ月間入院した。

 女性は「施設が事前に対策をとっていれば事故は防げた」と訴え、施設を運営する社会福祉法人に賠償を求める訴訟を22年に起こした。

 女性は訴訟で、100歳とい…

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この記事を書いた人
米田優人
東京社会部|最高裁
専門・関心分野
司法、刑事政策、消費者問題、独禁法
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    仲岡しゅん
    (弁護士)
    2025年4月19日16時26分 投稿
    【視点】

    この事件の具体的な主張や証拠類は見ていないので、特定の事件ではなく、あくまで一般論としての見解です。 故意による虐待などは論外として、施設内での事故について何でもかんでも施設のせいにして賠償責任などを問おうとする他責的・他罰的な発想が私は

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    白川優子
    (国境なき医師団看護師・作家)
    2025年4月19日22時20分 投稿
    【視点】

    介護施設で夜勤のアルバイトを1年間していたことがあります。夜間は介護士4人と看護師1名で80名の入居者を担当していました。事故を起こさないようにみんなで真剣に取り組んでいますが、この人数では全員の安全を100%管理することなど不可能です。お

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