性的なネット広告、一筋縄ではいかない規制 業界全体でルール作りを
ゲーム攻略サイトなど、子どもが見るようなウェブサイトにまで表示されるインターネット上の性的な広告。規制を求める声が高まっています。どんな規制のあり方が考えられるのでしょうか。慶応大の水谷瑛嗣郎准教授(メディア法)に聞きました。
「性的」な広告は、大きく分けて2種類あります。刑法に抵触するようなわいせつ表現と、露骨なわいせつ表現ではないものの、性的な場面などを「におわせる」ようなものです。
明らかにわいせつな表現が含まれる広告については、そもそも違法になります。いま特に問題視されているのは後者の、違法ではないものの、性的な場面などを「におわせる」広告だと思います。子どもが見るようなゲーム攻略サイトなどでも頻繁に目にすることがあります。
こうした広告は違法なわいせつ表現ではないですし、営利広告といえど、一定程度の表現の自由を保障されているため、広告内容を直接規制することは慎重に考える必要があります。
かといって、このままにしておいていいとは思いません。広告ではありませんが、これまで各自治体の青少年保護条例は、未成年者保護の観点から書店や自販機での性的表現物の販売を規制してきましたし、最高裁もこれを認めてきました。またグーグルの広告ポリシーも、すでに未成年者の保護をうたっており、性的コンテンツに自主的に制限をかけています。
ただ、一筋縄ではいきません…
- 【視点】
オンライン署名で「性的なネット広告ゾーニングしませんか?」という署名が10万筆を超えるなど、問題意識が広がっているテーマです。 「拙速に法規制を進めるのではなく、まずはデジタル広告に関わるステークホルダーが、「子どもたちが安全に知る自由を
…続きを読む