米中AI覇権争い、中国が猛烈な追い上げ スタンフォード大報告書
サンフランシスコ=奈良部健
人工知能(AI)の開発では米国が世界一だが、中国がその差をじわり縮めてきている――。米スタンフォード大の「人間中心のAI研究所(HAI)」が、年次報告書でこんな調査結果を公表した。日本への言及は少なく、存在感は薄い。
報告書では、2024年のAIへの民間投資は米国で1091億ドル(約16兆円)とされ、中国(93億ドル)の約12倍と圧倒している。同年に発表された主要AIモデルの数でも米国(40)が首位で、中国(15)、フランス(3)が続いた。影響力の指標となる被引用回数がトップ100に入る論文の数では、米国は3年連続で最も多かった。
一方、論文数そのものでは中国が最多で、AI関連の特許も世界の約7割を占める。質では米国が、量では中国が存在感を放ってきたが、性能面でも中国は急速に米国との差を縮めているという。
AIを搭載した産業用ロボットの工場への設置数では、中国は2位の日本や3位の米国を大きく上回った。
AIに対する信頼や懸念など…