旧統一教会への解散命令、教団側が即時抗告 東京高裁で再び審理へ
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に解散を命じた3月25日の東京地裁決定は不当だとして、教団が7日、東京高裁に即時抗告した。高裁が改めて、解散命令の是非を非公開で審理する。
教団の近藤徳茂・法務局副局長は即時抗告の書面提出後、報道陣の取材に「憲法に違反し、国連勧告を無視し、国際法に違反する結論ありきで不当だ。信徒の信教の自由や生存権などが脅かされかねず、断固として闘っていく」と話した。
一方、全国統一教会被害対策弁護団の村越進団長は教団の即時抗告を受け、「速やかな被害者救済の実現のためにも、また、解散命令が確定するまでの間に財産隠匿・散逸が行われるのをできるだけ防ぐためにも、速やかに即時抗告が棄却され、解散命令が確定することが重要だ」とするコメントを発表した。
宗教法人法によると、高裁が再び解散を命令した場合、教団が最高裁に特別抗告したとしても命令の効力が生じ、二審の段階で解散の手続きが実際に始まる。
具体的には、教団は法人格を失い、裁判所が選ぶ清算人が、教団の資産を管理して債権者への支払いなどを行う。税制上の優遇措置なども廃止される。ただ、信者らの信仰は制約されず、宗教活動を続けられる。
解散命令の是非は最高裁まで争うことができ、最高裁が命令を覆せば、解散手続きは停止される。
2023年10月の文部科学省による請求を受け非公開で審理していた地裁は今年3月の決定で、1980年代以降の高額献金の被害額は約204億円に上ると認め「類例のない甚大な被害を生じさせた」と指摘。組織体質などを変える対策を講じていないとして「解散はやむを得ない」と判断した。
教団は「誤った法解釈に基づいて出された結果で承服できない」と表明していた。
- 【解説】
想定されていたこととはいえ、旧統一教会としては、一度振り上げた拳を下げることは今さらできず、ファイティングポーズを取り続けるしかないのでしょう。東京地裁で出た解散命令という結果を高裁において本当にちがうものに変えたいのであれば、遅きに失した
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