JR西日本との協力体制強化 瀬戸大橋線トラブルでJR四国が対策

福家司
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 JR瀬戸大橋線で架線が切れ、快速マリンライナーが約6時間立ち往生した昨年11月のトラブルについて、JR四国は28日、対策を発表した。従来は緊急時の乗客の救済・救護をJR四国が担うことになっていた瀬戸大橋上について、JR西日本も協力するエリアに含めることにし、連携を強化する。

 トラブル発生後の11月下旬にJR西日本からの申し入れを受け、両社は乗客の救済・救護に関する覚書を改訂した。

 瀬戸大橋線は岡山方面から児島駅(岡山県倉敷市)まではJR西に、それより南はJR四国に運行管理権がある。西が救護に協力するエリアも児島駅付近までとしていたが、瀬戸大橋上を含む宇多津駅(香川県宇多津町)付近までを加えることで、救護策の検討などを円滑に進める狙い。協力内容も、乗客への食料の提供、救援バスの手配、警察や消防への対応を新たに付け加えた。

 また、乗客が救援列車に乗り移るための非常用渡り板が児島駅で見つからず、坂出駅(同坂出市)から運んだため約2時間も余計に要した点についても、JR四国が保管場所を管理し、西に情報共有するなどと決めた。

 両社は今回のトラブルを踏まえ、5月下旬に合同訓練も予定している。

 今回のトラブルでは、停電により真空式洋式トイレが使えなくなったことから、非常用の簡易トイレを積むことも決めた。

 さらに、バスで乗客を避難させる場合に橋上で交通規制の必要が生じることなども想定し、本四高速とも新たに緊急時の応援に関する確認書を締結した。

 一方、鉄道総合技術研究所に依頼して調査していたトラブルの原因については、架線に電気を供給する金具と架線が接する部分に異常な発熱が生じたのが原因と明らかにした。ただ、発熱の原因はわからず、JR四国は管内にある同種の金具1685カ所を点検したほか、2025年度から順次取り換えを進める。

 JR四国の山内條生・安全推進室長は「マニュアルの見直しや関係各所との協議を行い、異常時に速やかに対応できる体制を構築できた。マニュアルや訓練を生かして取り組みたい」としている。

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