三陸鉄道、過去最大7.4億円の赤字見通し 昨夏の台風での運休響く
佐藤善一
三陸鉄道(岩手県宮古市)は26日、2024年度決算見通しを発表した。経常損益は7億4115万円のマイナスで過去最大の赤字になりそうだ。当期計画より赤字幅が約7千万円膨らんだ。昨年夏の台風5号の影響で約3カ月に及んだ宮古―新田老駅間の運休が響いた。
当期損益は前年度2677万円の黒字だったが、県と沿線自治体からの補助金を加えても黒字にならず、4507万円の赤字見通しになった。
24年4月~25年2月の営業実績は、乗車人員が前年同期より2・3%減の56万2855人。1万3187人減った。定期利用の減少が止まらず、5・2%減の31万1444人になった。ただ団体旅行を含めた定期外の利用者は前年度より3854人多かった。
運賃収入は0・8%増の3億1320万円。海外を中心に個人旅行客の運賃収入が33・3%増えて3930万円となった。
25年度の計画では、定期外の個人利用を35・9%増の30万人と想定。全体では14・7%増の69万人を見込んでいる。石川義晃社長は「定期利用は減っているが、観光客は増えている。旅行会社とも手を取り合って三陸の旅は楽しいと情報発信していきたい」と話した…