文字びっしり、プレゼン資料に衝撃 デザインの力で伝わる科学研究
専門的で複雑な内容も多い、科学や医療の情報。文字だけでは伝わりにくかったり、関心を高めるのが難しかったりする内容も、目に飛び込んでくるビジュアルの力を使えば伝わりやすい。異分野の橋渡しに取り組む研究者がいる。
教室前方にずらりと並べられた、乳がん予防啓発のポスター。さっそうと歩く女性、鳥居のような形にあしらわれたピンク色のリボン……。それぞれのデザインのポイントを筑波大学芸術系の田中佐代子系長が1枚ずつ解説していく。
授業で毎年、課題にするのが「つくばピンクリボンフェスティバル」のポスター作製だ。学生たちが考えたデザインの中から、選考委員に選ばれた1枚がその年のイベントの顔になる。
技量とともに大切なのが、作品をつくる依頼者とのやりとり。この日はつくばピンクリボンの会の山田陽子理事らが教室を訪れ、乳がんによる死亡者数や茨城県での検診受診率などを説明。学生たちはうなずきながら聞き、「催しの特徴は」「対象は女性に絞った方がいいのか」などと次々に質問をぶつけた。
デザイン学を専門とする。特に医学や科学など、理系分野の専門家らと一緒に、文字だけでは伝わりにくい研究内容などについてデザインに落とし込む「サイエンス・ビジュアリゼーション」に光を当ててきた。
理系教員から研究内容聞き取り、イラストに
きっかけは、学内の理系研究…
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- 【視点】
理論や数字などの抽象的な世界と、感覚的な世界というのは乖離があり、前者が得意ではない人たちもとても多くいて、その人たちに感覚的に伝わるような言語に「翻訳」する仕事がデザインなのかな、と感じます(ゾンビ映画なども、目に見えないウィルスのパンデ
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こういうことを教えている方がいるのか、と思って田中佐代子さんが立ち上げた日本サイエンスビジュアリゼーション研究会(JSSV)のHPを見てみると、そこには講義用の動画と課題がすべて公開されていました。 https://visual-skil
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