人不足を保育現場任せ スキマバイト「望ましくない」では解決しない

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聞き手・松本千聖

 隙間時間に単発で働くスポットワーク(スキマバイト)が、保育所などで広がっています。こども家庭庁は継続的な利用には注意するよう呼びかける通知を自治体向けに出しました。自身も認可保育所を運営する、村山祐一・帝京大元教授(保育学)に話を聞きました。

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 スポットワークの雇用が行われる背景には、保育士の人材不足があります。

 こども家庭庁が自治体向けに出した通知では、スポットワークのような雇用を繰り返すことは「望ましくない」としていますが、それだけでは解決しません。そもそも、スポットワークに頼らざるを得ないような人手不足が放置され、現場任せになっていることこそが問題なのです。

 今、保育現場ではどんなに頑張っても保育士が集まらない悩みを抱えています。そんな中で、スポットでもいいから人を確保したいという施設が出てくるのもうなずけます。

 近年は、常勤保育士の雇用にも人材紹介サービスが関与することが増えています。かつてのように保育の学校経由などでは人が集まりにくくなり、企業に仲介料を支払って人材を紹介してもらうことが増えました。そうした中で、スポットワークは、雇う方も雇われる方も手軽に見えるのではないでしょうか。

 一方で、スポットワークが広がることには、明らかに問題があります。

 保育は子どもとの連続的な関…

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この記事を書いた人
松本千聖
くらし科学医療部
専門・関心分野
医療、子どもや女性の健康、子育て