「地震は来る 胸に刻み」 三井寺で慰霊法要 30人が祈り
林利香
【滋賀】東日本大震災から14年を迎えた11日、三井寺(大津市園城寺町)の観音堂で慰霊法要が営まれた。約30人が参列し、祈りを捧げた。
地震発生時刻の午後2時46分。近江八景の一つ「三井の晩鐘」がつかれ、三井寺婦人会が合唱曲「群青」を披露した。東京電力福島第一原発事故による避難で、ちりぢりになった中学生のことばを紡いだ曲だ。
その後、福家俊彦(ふけしゅんげん)長吏(ちょうり)(住職)らが読経し、参列者が手を合わせた。福家長吏は「地震の記憶を語り継いでいくことが同時代に生きる我々の役割。伝えていかないといけない」と語り、詩人の堀口大学の詩「人間よ」を読みあげた。「昨日 だれも知らなかった地震が来た 今日 だれも知らない 明日 何が来るだらう 人間よ 人間よ」
大阪市から訪れた女性(74)は「地震は必ずくるんだ、と胸に刻み、日々の生活で自分にできることをしていきたい」と話した。