男子校で考えた、有害な男らしさ 「結局、空虚だ」気づいた刷り込み

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岩波精

 性差別を生み、男性自身をも傷つけるとされる「有害な男らしさ」とは何なのか。知らず知らずのうちに、とらわれている部分はないか。男子校の生徒たちが、自分自身に向き合って考えました。

過剰なこだわりが性差別や暴力を生む

 2月下旬、中高一貫男子校の私立本郷中学(東京都豊島区)2年の道徳の授業で、松尾弥生教諭が切り出した。「今日は、有害な男らしさについて考えます」

 有害な男らしさは「トキシック・マスキュリニティ(toxic masculinity)」の訳で、過剰な男らしさへのこだわりが性差別的な言動に結びつき、男性自身を苦しめることにもつながる、という意味合いだ。ほとんどの生徒が、この言葉を「知らない」と答えた。

 「では、誰かに対して『その…

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    鈴木江理子
    (国士舘大学教授=移民政策)
    2025年3月8日11時57分 投稿
    【視点】

    「有害な男らしさは他者を傷つけ、差別や抑圧を生む。まずはそこに気づいてほしい」――。日々の生活の中で刷り込まれた「有害な男らしさ」を内面化することで、自分自身も苦しんでいる「男性」は少なくないはずだ。  「有害な男らしさ(トキシック・マスキ

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    濵田真里
    (Stand by Women代表)
    2025年3月11日14時40分 投稿
    【視点】

    この記事を読んで特に印象的だったのは、「男らしさはわかりやすいけれど、自分らしさって難しい」という生徒たちの言葉です。社会が求める「理想の男性像」は無意識のうちに内在化され、さらに親からの言葉によって「男らしさ」という縛りや呪縛が世代を超え

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