男子校で考えた、有害な男らしさ 「結局、空虚だ」気づいた刷り込み
岩波精
性差別を生み、男性自身をも傷つけるとされる「有害な男らしさ」とは何なのか。知らず知らずのうちに、とらわれている部分はないか。男子校の生徒たちが、自分自身に向き合って考えました。
過剰なこだわりが性差別や暴力を生む
2月下旬、中高一貫男子校の私立本郷中学(東京都豊島区)2年の道徳の授業で、松尾弥生教諭が切り出した。「今日は、有害な男らしさについて考えます」
有害な男らしさは「トキシック・マスキュリニティ(toxic masculinity)」の訳で、過剰な男らしさへのこだわりが性差別的な言動に結びつき、男性自身を苦しめることにもつながる、という意味合いだ。ほとんどの生徒が、この言葉を「知らない」と答えた。
「では、誰かに対して『その…