トランプ政権はすべての学術界を壊そうとしている NYTコラム

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ミッシェル・ゴールドバーグ

 2021年、(現米副大統領の)J・D・バンス氏はトランプ主義者や政治家が集まる全国保守主義会議で、「大学こそ敵である」と題したスピーチをした。

 バンス氏は、「この国で私たちが真実や知識だと理解しているものの多くは、大学によって根本的に決められ、支えられ、強化されている」と述べ、なぜ保守はそんな知的専制に同意するのか、と問いかけた。

 当時上院議員候補だったバンス氏は、寄付者を集めたイベントで、ある支援者に、子供たちに洗脳教育をする大学への進学のために借金をさせることのばからしさを語った、と説明した。支援者は「ほかにどんな選択肢があるのか」と尋ねた。バンス氏は、その態度では「大学を強化し続け、保守的な考え方が勝利を収めるのを不可能にするだろう」と述べた。

 イエール大学法科大学院を修…

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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2025年3月10日7時58分 投稿
    【視点】

    なぜバンスは大学や学問にこれほどの敵意を向けるのか。真相は私にはわからないが、バンスの著書『ヒルビリー・エレジー』には次のような1節がある。 「人々は、富める者と貧しき者、教育を受けた者と受けていない者、上流階層と労働者階層というように、大

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    ダースレイダー
    (ラッパー)
    2025年3月10日10時51分 投稿
    【視点】

     バンス副大統領の学問に対する姿勢はトランプ政権がインターネット上の記述におけるDEI関連の用語を削除させる行動などと並行してアメリカをルネサンス以前のヨーロッパ的に変質させていく予感があります(この記事ではまだ楽観的ですが)。  ギリシャ

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連載ニューヨーク・タイムズ コラムニストの眼

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