市長と交際の女性秘書「セクハラだった」 市公平委に調査訴え 福岡

岩田誠司
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 福岡県田川市の村上卓哉市長が公費出張に随行した市長秘書の女性と不倫関係にあった問題をめぐり、女性の代理人が31日会見し、上司と部下という力関係の下で食事や交際を求められ、断り切れず交際に至ったものであり、セクハラだったとの見解を公表した。

 女性側は同日、田川市公平委員会に対し、村上市長からセクハラを受けたことの苦情を申し立て、第三者調査委員会設置による事実関係の調査と、市長ら特別職を対象とするハラスメント対策条例の議会提出など、職場環境改善につながる措置を要求した。

 女性の陳述書によると、2023年4月、田川市長選で初当選した直後の村上氏から秘書就任を求められ、何度も固辞したが断り切れず就任。その後も食事やカラオケに誘われてキスされたり、公務での出張先で抱きつかれたりした。「個人的に会えない」と伝えても誘いはやまず、何度も交際や性的関係を求められ、「不適切な関係を持たざるを得ない心理状況に至った」という。

 代理人弁護士によると、女性は、問題発覚後に弁護士に相談する中で、交際に至る経緯を含めて「強いられた同意」によるセクハラだと指摘され、そう考えるようになったという。

 田川市には市長や副市長ら特別職を対象としたハラスメント防止条例や規程がなく、被害を訴えるための適切な体制がないことから、事実を明らかにすることを通じて職場環境を改善したいと考えたと説明した。

 村上氏は同日、「会見内容を把握していない」としてコメントしなかった。

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この記事を書いた人
岩田誠司
西部報道センター|筑豊地区担当
専門・関心分野
南米、外国人労働者、農業、食、災害、環境、平和、教育