「再審請求弁護人になって」黒塗りにされ 死刑囚の尊厳、裁判で問う

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大滝哲彰 山本逸生
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 死刑囚はほかの受刑者と違い、外部との手紙のやりとりが厳しく制限される。中身を黒塗りにされることもある。では、裁判のやり直しを弁護士に依頼したいと書いたら――。過剰な黒塗りがあったと死刑囚が訴えた裁判で28日、大阪地裁が判決を言い渡す。

 大野鉄平弁護士(愛知県弁護士会)がその手紙を受け取ったのは2022年6月のことだ。

 大部分が黒いペンのようなもので塗りつぶされ、判読できない。その後に届いた手紙も同様で、専門機関の鑑定に出すと「再審請求」「個人的に大野先生」などの文字が浮かんだが、趣旨はわからなかった。

 差出人は、10年前に大阪府寝屋川市の中学1年の男女を殺害したとして死刑が確定した山田浩二死刑囚(54)。大野弁護士は代理人を引き受け、外部とのやりとり(外部交通)を不当に制限されて「精神的苦痛を負った」として23年、国に約60万円の賠償を求めて提訴した。

弁護士「冤罪を晴らすこともできなくなる」

 黒塗り部分には何が書かれていたのか。

 「裁判所が違法性を判断できる程度に明かす」として国が提出した書面には、こうあった。

 「いろいろと相談したいので…

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この記事を書いた人
山本逸生
大阪社会部|裁判担当
専門・関心分野
司法、福祉、労働