たったひとりで始めた「ストロー削減」 小学生の活動が市を動かした

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小林直子

 「明日から給食のストロー、使わない」

 5年前、神奈川県鎌倉市の中学2年生、原沢幸希さん(14)は家族にこう宣言した。当時は小学3年生だった。

 きっかけは、海洋プラスチックごみをなくす活動に取り組むインドネシア・バリ島の姉妹が、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で発表する様子をYouTubeで見たことだ。

 「私にもできることはないかな」。そう考えたとき、給食で配られる牛乳のプラスチックストローが頭に浮かんだ。

 1人で年間約180本を使い捨てしている計算だ。これを減らせれば――。

 フォークで牛乳パックの端に穴を開け、直飲みすることに。最初は恥ずかしくて、髪で顔を隠して飲んだ。たった1人で始めた運動だった。

泣きながら帰宅した日も

 図書室で環境問題に関する本…

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この記事を書いた人
小林直子
東京社会部|教育担当
専門・関心分野
子育て・教育、スポーツ
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    高橋真樹
    (ノンフィクションライター)
    2025年2月21日12時23分 投稿
    【視点】

    トランプ大統領は、紙ストローからプラスチックストローに戻すと宣言しました。しかし、プラスチック問題が何かをいっさい理解しようとしない姿勢では、社会課題は何一つ改善しません。紙ストローの一部に問題があったとしても、元に戻せば解決するものではな

    …続きを読む