日本政府は「警戒」と「静観」 トランプ氏の停戦交渉の動向めぐり

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松山紫乃 田嶋慶彦

 トランプ米大統領がロシアのプーチン大統領と電話で協議し、ロシアのウクライナ侵攻の終結に向けて動き始めた。今後の停戦交渉の行方によってはウクライナ国内の一部地域のロシア側の支配を固定化しかねない。バイデン前米政権と歩調を合わせ、ウクライナ支援を続けてきた日本政府は、トランプ氏の動向に警戒感を強めている。

 「政府としての評価を述べることは尚早だ。ウクライナ侵略への対応に米ロ両国の関係は極めて重要で、注視していく」。林芳正官房長官は13日の会見で、米ロ首脳の電話協議について問われると、こう述べるにとどめた。政府が静観の姿勢を取るのは、トランプ氏の提起した停戦交渉の行方がまだ見通せないためだ。

 日本はこれまで主要7カ国(G7)の一員として各国と結束し、経済分野を中心にウクライナ支援に力を入れてきた。これまでの支援総額は約121億ドル(約1兆8500億円)以上にのぼり、昨年2月に東京で「日・ウクライナ経済復興推進会議」を開催。停戦が実現すれば「日本が軍事支援と距離を置いてきたからこそ、果たせる役割は増える」(防衛省幹部)との見方もある。

 しかし、日本政府はこれまで…

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この記事を書いた人
松山紫乃
国際報道部
専門・関心分野
国際政治、国内政治、ジェンダー、若者