「週休3日」公務員で拡大中 背景に危機感?受験倍率が大きく変化

有料記事

太田原奈都乃 本多由佳 伊藤あずさ
[PR]

 平日に丸1日追加で休み、「週休3日」が実現できる――。働き方改革の一環で、そんな制度の導入が全国の自治体に広がっている。

 注目を集めたのが、東京都の動向だ。

 小池百合子知事が昨年12月、2025年度から職員の週休3日制を導入する考えを表明し、その意義を強調した。

 「働き方のニーズは人それぞれ。一人ひとりの働き方に選択肢ができるようになる」

 週休3日制は基本的に、勤務時間を自分で決めるフレックスタイム制を利用し、労働時間をほかの出勤日に振り分けることで、平日を1日休みにできる仕組み。3連休にすることも、週の半ばに休むこともでき、総労働時間は変わらないため給与の額も変わらないことになる。

 東京都ではこれまで、育児や介護などの条件付きで認めていたが、25年度からはほぼ全職員を対象とする予定だ。

 「選択肢が増えることはありがたい。巨大組織の都庁で成功すれば、メッセージになりそう」と、都庁内からも歓迎する声があがる。

 なぜいま、全国の自治体で広がり始めているのでしょうか。記事の後半では、47都道府県に取材した導入状況や背景事情について伝えます。

千葉県では半年間で155人が取得、利用目的は様々

 全国に先駆けて24年4月か…

この記事は有料記事です。残り1845文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
太田原奈都乃
ネットワーク報道本部・首都圏ニュースセンター
専門・関心分野
災害、政治、教育
本多由佳
首都圏ニュースセンター
専門・関心分野
関心分野 地方行政、政治、教育
  • commentatorHeader
    千正康裕
    (株式会社千正組代表・元厚労省官僚)
    2025年2月13日13時50分 投稿
    【視点】

    公務員は人気の職業であり続けたが、状況は大きく変わってきている。どの役所も人材確保に悩んでいるし、官民の人材確保競争、役所間の人材確保競争が非常に厳しくなっている。 社会全体のトレンドとして、働き手の多様化やあらゆる業種で人手不足に直面す

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    首藤若菜
    (立教大学教授=労働経済学)
    2025年2月13日21時54分 投稿
    【視点】

    日本で言われている「週休3日制」は、多くが週の総労働時間数を変えないまま、労働時間を他の日に振り分けることで、休みを作り出すものです。ですので、「週休3日制」とは言うものの、週5日分の時間を働くことには変わりありません。 東京都が導入しよ

    …続きを読む