「折田先生像」ブログ更新をやめた 悪ノリと自由の間で准教授は悩む
京都大学准教授の角山雄一さん(56)は、放射線が生物に与える影響の研究をしながら、20年以上続けてきたことがある。ホームページ「折田先生を讃(たた)える会」の更新だ。
毎年、京大入試の朝に現れるのが「折田先生像」だ。「折田先生」と銘打っているが、ある年は「てんどんまん」だったり、ある年は「ポニョ」だったり。入試に臨む受験生を応援する風物詩となっている。
2022年を最後に更新を停止
角山さんは大学院生だった約30年前から、この像を「観察者」として見つめてきた。2002年にはサイトを立ち上げ、出現した像を写真に毎年収め、記録し続けた。
インターネットが本格的に普及し始めた頃から存在する、歴史のあるサイトだ。像の歴史や変遷がわかり、「折田先生像」を全国的に有名にするのに一役買った。
しかし、22年を最後に、更新を一時停止している。
「折田先生像」として昨年出現した「パックンフラワー」も撮影してはいる。
それでも、更新の手は動かない。「大学にも学生にも、思うところがあって」。そして、こう続けた。「自分の行動にも、反省があるんです」
「怪しさの極致」 最初はあきれた
角山さんが初めて折田先生像に出会ったのは1993年。京大大学院生の時のことだった。
教養学部のキャンパスを訪れると、折田先生の銅像がペンキで塗られていた。
「なんじゃこりゃ」と最初は…
- 【視点】
もはやすっかり入試日の風物詩となったこの件、今年もまもなくその日がやってきます。 京都大学は「自由の学風」で知られており、それに憧れて遠方から入学してくる学生も少なくありません。そのイメージの流布にも寄与しているのが折田先生像で、その意味で
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