スキマバイト、複数アプリ利用で労基法違反? 撤退するアプリ業者も

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 単発で短時間の仕事ができる「スポットワーク(スキマバイト)」で、ひとつの企業が複数のアプリを使うと、労働基準法違反に問われかねない事例が出てきた。企業は働き手の労働時間の管理をアプリ事業者に頼るが、複数アプリを一括で管理する仕組みはない。「サービス提供には限界がある」と撤退するアプリ事業者も出てきた。

 採用コンサルティング・求人サイト運営のツナググループ・ホールディングスによると、運営するアプリ「ショットワークスコノヒニ」で、働き手の1人が複数のアプリを使い、同じ企業で月160時間を超えて働いた事例があった。週あたり40時間を超える計算だ。

 労基法では1日8時間、週40時間を超えて働かせるには労使協定を結び、超えた分の割増賃金を支払う必要がある。この事例では、利用企業の対応が必要なケースだった。

 厚生労働省は労基法に基づき、スポットワークの働き手に対する労働時間の管理責任はアプリ事業者ではなく、雇っている企業にあるとしている。

 ただ、アプリ事業者の多くは「労務管理を代行する」などと、雇用主が管理の手間を省けることを売りにしてきた。アプリ事業者には他社アプリを含めて管理する仕組みはないため、十分な管理は難しくなっている。

 ツナググループは「ショットワークスコノヒニ」を昨年12月末で終了した。幹部は「多くの事業者の参入で、利用企業において、単一アプリだけでの労働時間管理は意味をなさなくなってきた」と話す。

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