婚前カップルに住居支援事業、LGBTQ含め 千葉県市川市が予算案
LGBTQ(性的少数者)を含め、婚姻やパートナーシップ関係を結ぶ前のカップルに新たな生活支援をしようと、千葉県市川市は2025年度から「結婚準備(市川プレウェディング)・新婚生活住まい応援事業」を独自に始める。市によると、こうしたカップルへの支援は全国初という。
市では性自認・性的指向にかかわらず生きやすい社会の実現をめざし、22年から同性カップルらのパートナーシップ届け出制度を導入している。田中甲市長は5日の記者会見で、米・トランプ大統領の多様性を否定する発言に触れた上で「LGBTQも認めていく社会が市川市にはあると考え、作った」と述べた。
市川プレウェディング事業は、経済的な支援で若者が結婚しやすい環境を作るだけでなく、その後も市内で生活し子育てをしてもらう、少子化と定住対策が狙い。対象は市内に住民登録があるカップルでともに39歳以下、合計所得が年間600万円未満の世帯に限る。同性や外国人のカップルでも申請できる。
引っ越し関連の補助として5万円、毎月の家賃補助として2万円で、1年間を限度に最大で計29万円が支給される。
同時に市は新年度から、国の補助事業で結婚したカップルを対象に「新婚生活住まい応援事業」も導入する。市川プレウェディング事業とほぼ同内容の支援を1年間受けられることから、カップルによっては最大2年間の給付を受けられる。
この日の会見で市はこれらの事業費約1億円を含む総額約1886億円の一般会計当初予算案を発表。13日開会の市議会定例会で可決すれば、3月1日以降に引っ越したカップルにさかのぼって適用する。