JR播但線考えるシンポジウムに高校生ら参加「ファン集まる鉄道を」
兵庫県のほぼ中央を南北につなぐJR播但線の「未来を考えるシンポジウム」が2日、神河町で開かれた。沿線の住民らでつくる「播但沿線活性化協議会」(小野康裕代表)が主催し、約300人が参加した。利用者の少ない区間を抱え、沿線の活性化が急務だが、利用する高校生も討論に加わって「ファンを集められる鉄道になってほしい」と訴えた。
JR播但線は姫路駅(姫路市)と和田山駅(朝来市)を結ぶ65.7キロ。協議会の発足は2012年で、シンポジウムのような催しはコロナ禍の影響で20年以来の開催という。
JR西日本は2019年度の輸送密度(1キロあたりの1日平均利用者数)で、県内は4路線6区間が「2千人未満」と少なく、赤字だと発表している。この中には播但線の北部の寺前駅(神河町)―和田山駅間も含まれ、県や沿線自治体が利用促進に向け、ワーキングチームを作って活性化に取り組んでいる。
この日は基調講演の後、国土交通省鉄道事業課長やJR西日本兵庫支社長、神河町の山名宗悟町長らがパネリストとなって討論した。国交省は23年度から始めた国が関与する新しいローカル線を考える枠組みを、JR西は人口減少やマイカー利用の増加に伴う厳しい経営事情を説明した。
山名町長は行政による補助や住民の取り組みを紹介し、「(利用者は)1日あたり2千人が目標だが厳しい。もっと国やJRと一緒に取り組む必要がある」と述べた。
市川町在住で姫路市内の高校に通う高木幸奈さん(18)は「乗って楽しいと思える鉄道が理想。播但線のファンになってもらうことで何年先も続く鉄道になっていってほしい」と話した…