道路陥没事故、本格的な救助至らず 「時間要する可能性高い」と知事

稲垣直人
【動画】埼玉県八潮市の道路陥没現場=平野真大撮影
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 埼玉県八潮市で県道が陥没してトラックが転落した事故は2日夜になっても、本格的な救助活動には至っていない。穴の内部に水がたまり、周囲の地盤も不安定で、崩落による二次被害の可能性を否定できないためで、消防は救援隊が穴の中に入り、運転手を捜索する活動には当面移れないとみている。

 関東地方は2日、気温が下がり、雨天になった。八潮市内でも雨が断続的に降るなか、現場ではショベルカーなどの重機やトラックが行き来していた。1日朝に完成した救助活動を進めるためのスロープ(傾斜路)の強度を強めたり、土囊(どのう)を入れたりする作業を続けた。

 県などはスロープの完成を受けて、本格的な救助活動を進める予定だった。

 だが、穴の内部の水位が上昇したことから、消防は隊員らの安全を確保するため、1日夕からスロープの先にある穴に下りての救助活動を中断している。

 県などは今後、穴の内部の水位を低下させるため、ポンプ車での排水を進める方針。水のない方向にスロープを延長することも検討するという。

 陥没した箇所には土砂や岩のほか、コンクリート製の箱形の構造物があるという。県によると、破損したとみられる下水道管の水の流れが悪くなっていることから、管内になんらかの異物があるとみて、ドローンなどを使って調査する方針だ。

 県によると、事故発生から6日目を迎え、穴の大きさは直径31メートル、深さ16メートルにまで広がっている模様だ。運転手の70代の男性が閉じ込められた運転席は土砂などに埋もれて確認できていない。

 大野元裕知事は2日の県危機対策会議で、「救出や復旧までさらなる時間を要する可能性が高い」と説明。その上で「12市町120万人や事業者の協力のおかげで、下水の流入は下がっているものの根本的な解決には至っていない」と述べた。県は引き続き、洗濯や風呂の使用をできる限り控えるよう呼びかける。

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